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彼らがやってきた日

 彼らがやってきた日 2001年春

2001年3月の晴れた日、彼らは宅配便で私の家にとどいた。

「随分大きな荷物ですねぇ」と、さわやかに笑う宅配業者のお兄さん。
「中身、ミミズですよ」って言ったらどんな反応をするだろう?と思ったけど黙っていた。大きなダンボールに、飼育用プラスチック容器(組み立て前)、別口のダンボールにスタート用のミミズ堆肥(ミミズのフン)2袋、また別口が…ミミズ本体。運ぶだけで大変な、大きな重い荷物。
お兄ちゃん、ありがとうね。

 飼育容器を組み立てて、堆肥を下段に入れ、上段にミミズを入れる。袋をあけ、いよいよミミズ1200匹とご対面。
ミミズ絶対ダメじゃないけど、こんなに集団でいるミミズに会うのは初めて。やっぱ気持ち悪いかな。どきどき。

…え?ミミズどこ?

巾着型の麻袋から出てきたものは、土のようなボロボロとした茶色いものだった。(後でこれは「ヤシ繊維」だと知る)よーく見ると、その間にミミズがのたのたと這っている。全然気持ち悪くないじゃない。少し拍子抜けした。悪い事じゃないけど。
 マニュアル通りにミミズの上に裂いて湿らせた新聞紙を被せ、フタをした。ミミズが落ち着くまで、エサは控えめに~ということで、この日は引越で終わり。

 ペットでもなく、機械でもない。なんだか不思議なものを「飼い」はじめた感じ。

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